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でかおの誕生日

やっとあの日を振り返る事ができるようになった…。

帝王切開は予想以上の手術だった。

時々帝王切開をした人に対して「痛い思いしなくてよかったね。」などと信じられない事を言う人がいるが、完全な誤解だ。これは無痛分娩とは全く違うものだという事をはっきり伝えたいと思い記事にしてしまった。人によって考え方はいろいろあるという事はわかっているが、あくまでも私の場合として読んでいただければと思う。

私の場合は腰椎麻酔のみだったので、意識ははっきりしており手術には感覚だけはある。、実は多少は痛みも感じたし、以前受けた虫垂炎の緊急手術以上に痛みも強く、さらに怖ろしいものだった。手術途中まで「怖い」「痛い」「まだ終わらないのか」をずっと言い続けていたのははっきり記憶にある。

でかおが出てきた時も感動というより「これは私に似てないな」、本当にそれだけだったのだ…。とにかく手術されてる感覚があるから痛いし、内臓を戻したりする感覚がはっきりわかるのだから。

しかしこの先は半分くらいしか私の記憶にはない。私はその後でかおが取り出されると今度は「痛い」「気持ち悪い」と叫び出し、やがて「早く眠らせろ~!」「早くおなか閉じろ!!」などと暴言を吐き出し、途中で先生に「眠りますか?」と聞かれ「そうしてくれ~!」と答えたため全身麻酔に切り替えられたそうだ(看護士さん談)。なのに手術室から出てきた時、私は全身麻酔にもかかわらずぐだぐだ何か言っていたそうだ(家族談)。

後で先生に聞いたら、おなかを切った時に一番最初に見えたのはでかおの顔だったそうだ。先生もあんまりない例だとちょっと驚いたそうだ。つまり私とは逆を向いて私と同じ格好をしておなかの中にいたのだと言う。しかもそのおなかには臍帯が絡んでいたのだと…おそらくでかおはおなかから出たくとも出る事ができなかったのだ。私のおなかの張りも最後は尋常ではなかったし、前日のおしるしの後自然分娩を待つかどうか先生からもう一度聞かれた時も「もう苦しいから切ってください!」と言うほどひどい張りだったのだ。本来ならこれは陣痛になるべき張りだったはずなのだが…。おそらくあと少し手術を遅らせていたら、子宮破裂を起こしたりして私もでかおも助からなかった可能性もあったのではないか…そんな気もする。

手術が終わった後はむしろ傷の痛みではなく、前半は子宮が収縮する痛みとの戦いになった。麻酔が切れてきて収縮を伴う腹痛…やや重めの生理痛みたいなものだったが、これが夜中の間続いた。痛み止めは使っていいと言われたのだが、これ以上ひどくなった場合に使おうと思っていたらそのタイミングを逃し、結果的にこの日の痛みが最高で、その後は何という事もなかった。

後半は腰痛に苦しめられた。安静に伴い身動きが取れないことによる腰の痛みがひどくなり始めたのだ。これは私にとっては腹痛よりつらいものだった。しかし、これは痛み止めでどうにかなるものではない。体位変換ができるようになるまでこの痛みは続いた。結局退院するまで痛み止めを使う事はないままだった…。

手術翌日の夕方には人の手を借りて立ち上がり、一人で何とかよたよたのペンギンみたいに歩く事ができるようになったが、その翌日には自力で立ち上がり、歩行が可能になった。その後はびっくりするほど歩行ができるようになり、傷の痛みも日に日に少なくなっていった。経過は順調そのものだったようだが、風邪をひいたのが誤算だったくらいだ。しかしでかおとの面会も限られた時間、さらにでかおには初乳をあげる事もできなかったし実際今もでかおはミルク主体で育っている。

これだけ見るとかなり楽なお産だったと思われるが、入院中には術前に点滴、筋肉注射1本に注射2本、腰椎麻酔、術後に筋肉注射を4本(おなかのガスを出させるため。これはガスが出にくい場合もっと打たれる。)、終日点滴が通算2日、午前中のみ点滴が2回、さらには静脈注射が退院前日まで毎日2回(2種類を一度に打ったり、点滴の側管から入れる時もあるので毎日痛い思いをするわけではないけど)。病院によって差はあるが、実際これだけ痛い思いはする事になるのだ。

帝王切開をした場合、次に出産をする時も帝王切開になる可能性が高い。自然分娩も不可能ではないがかなりの危険を伴うので、個人産院では帝王切開しか出産方法が選べない事も多い。今の段階で次の出産など考えている余裕はないが、次も帝王切開しますか?と聞かれたら私は迷わず「もうあんな思いは勘弁してくれ」と答える。

しかし、この恐怖の記憶も時間が経てばおそらくすっかり忘れてしまうだろうな、そんな気がしている。

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コメント

こんばんは。
確かに、経験していないことはついイメージで判断しがち・・・・・・。
その後体調はいかがですか。
最近は帝王切開での出産が増えているという話は聞いてますし、それが医師不足による病院側の事情もあるという話も北海道では耳にしました。
だけどそれが決して〝楽な選択〟ではないということがよくわかりました。むしろ精神的にはきついくらいではないでしょうか。本当にお疲れ様でした。
出産前日の状態は本当に大変だったのですね。
実はタピアンさんの直前の記事を読んでなんとなく、自然分娩の可能性にかけるのは危険だという予感がしていました。本当になんとなく、でも自然にそう思ったんです。これまでのタピアンさんの記事を読んでいたからかもしれませんね。どうか無理だけはなさりませんように・・・・・・と祈っていたのですが、それでも今の話を聞くと想像以上の大変さだったのだなと改めて思います。

投稿: エンジェル | 2009年2月18日 (水) 01時04分

…。本当にお疲れ様です。
>これだけ見るとかなり楽なお産だったと思われるが
いやいや、思いませんよ。
でかお君が無事誕生できて、ほんと良かったです。
まだ体の方も戻ってないでしょうし、育児しながらは大変でしょうけど、すこしずづ休みながら頑張ってくださいね。

投稿: 小薔薇すいた | 2009年2月18日 (水) 06時04分

自然分娩で子供を産み、開腹手術で卵巣摘出。
どちらの痛みも経験した私ですが、手術の方が絶対大変ですよ~。
といっても、どちらかと言えば安産だったからかもしれませんが(^^;

私は出産の時、チビの首にヘソの緒が巻きついていて…「大急ぎで出せ~!!」と助産師さんがお腹を押して出してくれました。
産まれた直後のチビは「赤」ちゃんじゃなくて、真っ白で…ちょっとしてから産声あげて、それを聞いてほっとしました。

でかお君も無事に生まれて何よりです(^^)
フルート吹いても起きない…きっと大物になるよ♪

投稿: くろねこ改め小夜子 | 2009年2月18日 (水) 07時19分

ほんとにお疲れ様でした。
さぞかし辛かったことでしょう。
楽なお産だなんて全く思えませんよぉ(ToT)

本当に大変だったとは思いますが、タピアンさんとでかお君が無事だったことが何よりも良かったです。

育児大変だとは思いますが、出来る限りゆっくり体を休めてくださいね。

投稿: パセリ | 2009年2月18日 (水) 10時22分

タピアンさん、遅ればせながらご出産おめでとうございます。でかお君もお誕生おめでとう!!

自然分娩であれ、帝王切開であれ、子を産むということは大変なことだと、改めて感じました。本当にお疲れ様!!何はともあれ、母子共にご無事で何よりです。

しばらくは忙しい日々だと思いますが、お身体お大事にしてくださいね♪

投稿: はるな | 2009年2月18日 (水) 15時26分

コメントの返事が遅くなり申し訳ありません。まとめてのお返事お許し願います。

♪エンジェルさん、こんにちは。
自然なお産が注目され、そのように出産する人も増えている中、産院の中には訴訟を恐れて帝王切開を積極的に行っているところもあるようです。私が出産した産院ではちょっとしたリスクがあっても帝王切開というパターンが多かったようです。
私の場合は振り返ってみると子供が大き過ぎて自然分娩はかなり危険だったのが事実のようです。助産師の友人にも聞いてみましたが「こんな大きさじゃ自然分娩は無理だったと思うよ…。」と言われました…。エンジェルさんの予感、当たっちゃいましたね…。

♪小薔薇すいたさん、こんにちは。
手術した当初は「もうこんなの二度とするか!」ってはっきり思いましたし、同じ痛くても自然分娩の方がよかった、って思ってました。開腹のせいか体力の回復がやっぱり違ってたんですよね…。
ただこうしないと無事に誕生しなかった可能性が高いので、今になってやっと納得できました。
体の方が回復してないうちに生理まで始まってしまい、当初はボロボロでしたが、やっと落ち着きつつあります。

♪小夜子さん、こんにちは。
いずれの方法をとっても出産は思った以上のものだという事を思い知らされたような気がします。病気じゃないし恐れることはないとは言いますが、それだけじゃないような気がしますね。
小夜子さんもご出産の際大変な思いをされていたのですね。お子さんの無事を確認するまで…自分が同じ立場に立ってその気持ちがわかります。
手術は思った以上に体力を消耗するので、術後に感染症にかかりやすくなったりするんですよね。今回もやられたので何とも言えません。
フルートの音を怖がらないでかお、いったいどうなってるんでしょう…相変わらずフルートは下手なんですけどね…。

♪パセリさん、こんにちは。
これでも術後の経過は良い方だったようですが、直後は「もう二度とこんなのするか!」って思いました。体を休めなきゃいけないとは言え、やってみると家事しながら育児して、さらに睡眠をとるってのは思った以上のものでした。二ヶ月経った今になってやっと少しラクになってきたように思えますが、また今度は別の意味で大変になってきそうです。これから本当に楽しみながらやっていければいいのですが…。

♪はるなさん、こんにちは。
お祝いコメントありがとうございます。
出産は病気じゃないですし、特別危険なものではないとは言え、油断は禁物と思い知らされました。
どちらも無事で本当に何よりだと思います。
二ヶ月経ってやっと少し落ち着いてきましたが、当初はどうなる事かと毎日呆然としてました。まだ無理はせず暮らしています。

投稿: タピアン | 2009年4月 1日 (水) 11時42分

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