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おみくじ

今年は初詣すらしなかった私。初詣の際には神社でおみくじをひいたりするが、おみくじを引いても大吉が出た事は今までの一生で一度しかない。

その大吉は高校の卒業旅行で奈良に出かけた時ひいたもの。今も現物はどこかにしまってあるはずだが、神社の人もびっくりする内容のおみくじで、大吉の中でも最高のものだとか。滅多に出るもんじゃないと聞いてしばらく持ち歩いていたのだが、その後大事にしまいこんでしまった…出てこなかったら意味ないんだが…。

それまでおみくじなるものはひいた事がなかった。なぜなら高校の修学旅行の時、おみくじであり得ない体験をしたからだ。

2年生の頃京都・奈良へ修学旅行に行った。当然ながらグループ行動という事で、当時14人だったクラスの女子は7人ずつの2班に分かれ、京都を回っていた。私はその日1つの班の班長になってしまっていた(班長はその日ごとに交替することになっていた)。

北野天満宮に行き、来年の受験に備えて合格祈願をしたいという要望が一部班員からあり、北野天満宮を散策コースに入れていた私たちの班。ここで友人Ⅰがおみくじをひくと言い出し、それに友人K、Sが同調したため、私も含め残り4人はいっしょに天満宮の中を歩き回っていた。

そのうち友人Ⅰが不機嫌な顔をして戻ってきた。どうしたのか聞くと「ひいたおみくじが凶だってさ…。」とむっつり。おみくじをひかなかった4人で大爆笑。「日頃の行いが悪いからだろ?」「まあそういう事もあるさ。気にしなさんな。たかがおみくじじゃないか~。」とお気楽に話していた。

その後友人KとSがまた無言で戻ってきた。やはり機嫌が悪そう。友人Ⅰと残り4人で「何機嫌悪そうに…。」友人KとSが見せたおみくじには「凶」の字が…一瞬5人とも言葉を失った。

「…って事はさ、3人連続で凶が出たって事だよね…。」「おいおい、何それ?最初は笑ってたけど、これ笑い事じゃないんじゃないの?」「まさか、偶然だろうけどねえ…。」さすがにおみくじを引かなかった4人ともフォローの言葉しかなく…最初に大爆笑された友人Ⅰは「お前ら覚えてろ!」と激怒していた。結局悪い結果のおみくじは結んでいくといいとかいう話を聞き、3人はおみくじを結んで残していった。当然残りの4人はおみくじを引かなかったのは言うまでもない。

ここまでなら笑い話で済んだのだが、問題はその後だった。

どうせここまで来たなら受験も無理だし、入れるわけがない大学でもあるので京都大学でも見に行こう、と無責任な事を言い出す者が出て、散策のノルマをとっくに終わっていた私たちは京都大学までバスで出かけていった。実際には校門をくぐり(しかもあれは裏だったと思うが)、中をちょっとだけ見て帰ってきただけだったのだが。

そして宿に帰ろうと帰りのバスに乗ったところ、友人Ⅰが何やら慌てている。どうしたのか聞くと「財布がない…。」「えええっ!?」6人とも驚くしかなかった。

「おいおい、どこまで財布持ってたか記憶ある?」「おみくじ引いた後バス乗ってるはずだからそこまでは持ってたはず…。」「だとしたら大学構内か?」「いや、バス二回乗ってると思うけど、どっちも乗った時は確か班長が活動費から払ってるよね。」「あ、そうだ。私が払ったよ。」「って事はもう天満宮出た時落としてたんじゃ…。」「とにかくまだ時間があるから来た道戻ろう。」と班全体はパニックに。

友人Ⅰは一言「凶のおみくじってこういう事だったんかい…。」と不機嫌になってしまった。さすがにこの時は6人とも言葉が出ず…一応班長だったのもあり、副班長とともに宿についてすぐバス会社に電話連絡し、行った場所にも電話で確認したが財布の落とし物は出ずだった…。その財布に友人Ⅰの全財産が入っていなかった事だけが救いだったとしか言いようがなかった。

災難はその翌日も続いた。宿から三十三間堂が近いと聞いて、朝一番で歩いて出かけて行ったのだった。この日は班長からはずれお気楽な立場の私、クラスメイトに似た仏像を見て友人と大笑いして楽しんでいた。

三十三間堂を出てしばらくしてから、昨日おみくじをひかなかった友人のうち一人と「ここ拝観料無料だったね。」と話していたところ、友人Kが「え??拝観料あったよ…。」

ちょっと待てよ!と思い友人Kに聞いたところ、友人SとⅠはきちんと拝観料を払っていた。残り4人は拝観料を取られていなかったのがわかり呆然…。偶然にも拝観料を払ったのは昨日おみくじをひいた3人…。

「え~何でそうなったんだよ!」と3人は怒った。私たち4人も「何で?」とわけがわからず唖然。後で考えると先に入った4人の身長はやや低め、行動も3人に比べたら落ち着きがない。ただその中で一番大きい私でも身長は160センチあった。拝観料を払った3人は私より5センチ以上身長が高かったとは言え、そうだとすると拝観料を取る人が私たち4人を見落としたか、中学生以下と勘違いしたかとしか思えない。

「160センチある人間を見落とすか、普通?あり得ない。言動見てて小学生と勘違いしたんだ。」と友人Ⅰは言う。「んなバカな。同じ制服着てて小学生と勘違いされるわけがない。」と一番身長が低い友人Tは怒った。「拝観しながらどんぐりころころ歌ってたじゃん。」「迷惑になる場所では歌ってない!」「奈良で鹿せんべい食ってたくせに。」「あんただってたこ焼きほうばってたでしょ?」と友人同士の言い合いはだんだんエスカレート。「じゃ今から戻って拝観料払いに行ってこよう。」と私が言うと「時間考えろっ!そんなの無理だってば!!」と友人Sが言うので4人とも戻るのはやめてしまった…。

そしてその後もなぜか凶のおみくじをひいた3人にとってはことごとくいろいろな事が起こり、班内では4対3で言い争いが頻発したのは言うまでもない。おかげでこの修学旅行で奈良、京都の何を見たのかあまりはっきりとした記憶がない…。その後大人になって何度か京都へ行く事があり、やっと京都を楽しむという事の意味がわかってきたのである。

たかがおみくじだが、おそろしいものだと私は思うようになり、大吉をひいた後は最近までしばらくおみくじをひけないままの私だった…。

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