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風疹

前回の検診で血液検査をした。いろいろな病気を調べるようだがその中に風疹の免疫があるか調べるものがあった。おそらく今は私も免疫を持っているはずだ。なぜかと言うと私は4年ほど前に風疹にかかっている。

4年前の風疹は、手術のため入院した病院でかかってしまったのだ。

私は学生時代からの痔持ちだった。痔とは共存していたのだが、4年前のある日突然それが大きくなり、さらに出血が始まり、それが原因で貧血を起こしてしまうようになった。これはおかしいと思い近所の胃腸科の医院に受診したところ、それは痔ではなく直腸のポリープの可能性が高いとわかった。貧血を起こすようなポリープ、しかも突然大きくなったと言う事であっと言う間にその病院に入院、手術となってしまったのだった。

入院した部屋は6人部屋だったが、患者同士があっと言う間に仲良くなってしまい、二週間の入院期間、ホームシックにはならずに済んでしまった。私が入院した時には既に4人の患者さんがおり、4人に見送られて手術室まで運ばれていったのを覚えている。

手術は無事終わり、ポリープも細胞検査の結果悪性ではないとわかった。それはそれでよかったのだが、問題は手術を終えた翌日のこと。

朝起床すると何だか変だった。トイレに行こうとして歩くとふらふらして壁にゴン。関節もあちこち痛い。さらにしばらくするとだんだん頭痛がひどくなってきた。唯一楽しみにしていたごはんもあまり食べたくない。ここの病院でさらに3年ほど前に虫垂炎の手術も受けたが、その後にこんなのはなく、翌朝には点滴棒を引っ張って元気に歩いていたはずなのに…と思っていた。

朝の検温の看護婦さんがやってきて「あれ?タピアンさん熱が出てるね。」と言った。私の体温は37度を超えていた。どうりで体調がおかしいわけだ。「手術の後に熱が出るなんて事は普通ないよね?どうしたんだろう?しばらく様子を注意してみてもらえるよう申し送りしておくね。」と看護婦さんは言ってくれた。その日は夕方に近づくにつれ起きているのが面倒になり、結局一日のほとんどを眠って過ごしていた。

翌朝起きると熱は下がり、頭痛もウソのようになくなっていた。ごはんも食べられるようになりすっかり元気になった私だった。「あれは何だったんだろうね。」と同じ病室の人と話していると、隣のベッドの人が「そう言えば私も昨日体調がおかしかったのよ。やっぱり熱があって…。」と言う。その人は私の手術の一週間前にヘルニアの手術をしたばかりだった。

数日すると私の隣の人が「大きな発疹ができて気持ち悪い」と言い出した。確かにまだら状の発疹ができている。「何だろうね。」とみんなで話していたら、その日の午後その人は診察室へ呼ばれ血液検査を行ったと言っていた。

その翌日、点滴を打とうとした看護婦さんが「あれ、タピアンさん、それは…。」と私の体を見て言った。私にも小さな赤い発疹が顔を除いてほぼ全身あちこちに出来ていた。「ありゃ、何だこれ?」と私。その日の午後私も診察室に呼ばれ血液検査を行うはめになった。

そして一週間が経った頃…隣の人が「はしかだって…。」と顔をひきつらせて診察室から戻ってきた。その後私が呼ばれた。まさか私もか?と思っていたら「風疹」と検査結果を告げられた。あの熱はそういう事だったんだ…やっと納得できた。

それを聞いて病室内で悲鳴が上がったのは言うまでもない。検査結果がわかったときには、救急車で運ばれてきた虫垂炎の手術直後の9歳の女の子が病室にいた。「おいおい、子どもに感染したら大変だよ!」というのでその女の子も血液検査をすることになってしまったのだった…。女の子は幸いにもどちらも免疫を持っていたそうだ…。

後で聞いた話だが、私が入院したのとほぼ同じ頃、同じ病院にはしかと風疹の患者さんがいたらしい。症状がかなりひどい患者さんだったので隔離をしたのだが、結果的に院内感染になってしまい、手術直後で抵抗力のなかった私と、同じように手術から一週間くらいしか経っていなかった隣の人が感染してしまったということらしい。

病室へ見舞いに来た両親に「何だ、私は風疹のワクチン打ってなかったの?」と聞くと両親はきょとんとしていた。「そんな事はない、予防接種はきちんとしているよ!」と。「じゃあ何で私はここで風疹にかかったんだい?」と言うと、両親ともに「えええ?」と…。

納得がいかなかった私は看護婦さんにも「何で?」と詰め寄ってしまった。ワクチンだとまれに免疫ができない人間がいる、というのをそこで初めて聞いた。何それ?って感じだった。

そういえばはしかはともかく、水疱瘡は幼稚園の頃集団感染した記憶がある。おたふく風邪は小学校6年生までやっていなかったからワクチンを打った。ところがその後クラスのみんなから「いつもより顔が丸い」と言われた。おかしいなと思っていたらそれがおたふく風邪発症だった。そしてクラスに数人おたふく風邪が出てしまい、しばらく「おたふく」と呼ばれた事まである。つまり発症したために免疫ができたようなものなのかもしれない。

結果として二週間で退院できた私だったが、風疹にかかっていたことで一週間の自宅軟禁を余儀なくされ、さらにこの当時職場に妊婦が3人もいた事から出勤停止にされてしまい、「とにかく治るまで絶対に出てくるな!」と、入院してから一ヶ月も仕事を休む事になってしまった…。5月の陽気のいい時期だったのに、この年だけは本当に何もできずに過ぎていったのだった…。

もしもこれで風疹の免疫がないとか言われたら本当にびっくりものだ。絶対にあり得ないとは思うが…。

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コメント

こんばんは。
ワクチン接種で免疫ができないことってあるんですねー。
でも、4年前の風疹でちゃんと免疫ができてるでしょう。
しかし、院内感染なさったとは…驚きました。
抵抗力の弱いときって発症する確率があがるんでしょうか。
僕が中学1の時、学校で風疹が流行してたんですが、なぜか弟の水疱瘡を先にもらってしまい、それが治りかけたときに風疹を発症するとういう波状攻撃を受けまして、けっこう長い間苦しんだ経験があります(笑)

投稿: ばなな | 2008年7月 3日 (木) 20時43分

ばななさん、こんばんは。
最初聞いた時はあり得ない!と思いました。今回は間違いなく抗体を持っているはずですが…怖いので一応検査しておきました。結果は月曜日に出るようです。
抵抗力の弱い時に院内感染が起こるという事は知っていましたが、まさか自分にそんな事が起こるなんて思ってもいませんでした。手術等していると命に別状がなくても体力を思った以上に消耗しており、こういう事態が起こるのは不思議ではないということでした。
中学で風疹や水疱瘡が流行っていうのもすごいですね。普通は幼稚園や小学校で集団感染する事が多いんですが、大人になってからだと症状がひどくなったりして大変なことがあるようですね。ばななさんもかなり苦しまれたのですね…。

投稿: タピアン | 2008年7月 4日 (金) 21時14分

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