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どこか変…

これは私の父の話である。父はもともとごく普通のサラリーマンだった。

ある時家族で長野県へ旅行した時のこと。道路の行き先が書かれている標識を見ながら父は「おもしろい名前の村があるんだなあ、『きむりむら』だってさ!」と笑った。

標識を見た私はびっくり。「鬼無里村」と書かれていた。「あれは『きなさむら』と読むんじゃないかい?」と父に言うと「へえ、そんな読み方するのか!」と驚いていた。私もこれを読めたのは漫画だかで出てきたから読めただけだったりするが…。

とにかく地名を読むのが大の苦手だったらしい。その他にも、富山の「宇奈月温泉」を「うなげつおんせん」とずっと読み続けていた。母が何度間違いを指摘しても、私が「違うよ!」と言ってもかなり長い間「うなげつおんせん」と読み間違え続けた。知っている限りでは「白骨温泉」を「はっこつおんせん」と読んだ記憶が…おそらく他にも間違えて覚えている地名がかなりあるに違いない…。

そういえば動物の名前を覚えるのも苦手だった…。

ある日テレビを見ていたら「わあ、カバが走ってるよ。すごい迫力だなあ!」と歓声をあげていた。アフリカの草原でのドキュメンタリー番組だったはずなので、何だか変だなと思いふとテレビを見たら映っていた画像は草原を走る「サイ」…。

もっとすごかったのはある冬の日。やはりテレビのニュースを見ながら「こいつらバカじゃないのか?こんな寒い日に水の中で…。」とぼやいていた。冬に水遊びでもしている何かのニュースでもやっているのか?と台所仕事をしていた私が居間にテレビを見に行くと、湖に浮かぶ白鳥やカモが水浴びしている姿が…。「あのさ、これ水鳥。日本に渡ってきて冬越してるんだってば。」そういうと父は「何だ、そうだったのか。」と大笑い。

さらに、国名を覚えるのも得意でなかったらしい…。

私が一週間ほどインドネシアに旅行した時のこと。まだ現役だった父は会社の人に私が海外旅行に行ったという話をしたそうだ。当時私の高校の先輩が父といっしょに働いていた。どこに行ったのか聞いたところ「ベトナムだったと思うけど」と答えが。その翌日は「タイだったかな。」、その翌日は「カンボジアだろう。」、その翌日は「シンガポール…かな?」、最終日になって「インドネシアだったかもしれない。」と言ったらしく、先輩から来た手紙には「タピアンさんが夏の旅行でいったいどこに行ったのかといまだによくわからないままでいます。」と書かれてしまった…。

家庭では厳しい父だったし、会社でもまじめで結構厳しいところもあったそうだが、時々こういう訳のわからないことをしでかしては笑いをとっていたらしい。わざとではないところがおそろしいところである。

このとんでもないボケっぷりは私と弟の二人に平等に分けられるべきではなかったかと思うのだが、見事に私にだけ受け継がれてしまったらしい。相当自分がボケていると知ったのは社会人になってからであった…。

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コメント

こんばんはー。
前の記事の、ご主人の話といい、このお父上の話といい、なんかほのぼのしていいですね~♪

奈良にも難読地名多いですよ!!
子供の頃はよくわからなくて適当に読んでました。車に乗るようになってから、道路掲示してある地名の下にローマ字表示してあるのを見て、初めて、あ!そんな読みだったんか、と思うことが多いです(笑)

十六面を「じゅうろくせん」、西包永町を「にしかねながちょう」なんて、絶対読めないもん(笑)

投稿: ばなな | 2008年5月 4日 (日) 22時20分

ばななさん、こんばんは。
先ほどばななさんのところに行って、過去に私がやった事を思い出しコメントに記入してからはっとしました。やはり父のボケっぷりは私にだけ受け継がれていたのだと…その時の話を弟にしたら「ねーちゃん、バカだ…」と呆れられたのを思い出しました…。

奈良の「十六面」「西包永町」、はい、私は見事に読めませんでした。そういえば京都の「先斗町」だって読めませんでしたからね。

南関東には比較的難読地名は少ないと思います。ただやはり地元にいないと読めないというのは多少あるとは思います。由緒あるものだったりすると確実に読めません…。

投稿: タピアン | 2008年5月 4日 (日) 23時46分

こんにちは♪

なんて楽しいお父さん(^-^)
「はっこつ温泉」はかなりサスペンスな温泉ですね~。
でも私もこの記事を読むまで「きむりむら」だと思ってました(笑)

最近は難読地名は合併の時にひらがな表記になっちゃってますからね~。
「水上町」もよっぽどみんなが読めなかったのか、今では
「みなかみ町」だし。。。
埼玉の「都幾川町」も知らないうちに「ときがわ町」になってるし。。。
読めないのも不便ですが、なんでもひらがなにしてしまうのも
「それでホントにいいのか?」と思います。

投稿: るーさん | 2008年5月 6日 (火) 15時54分

るーさん、こんばんは。
「はっこつおんせん」は確かまだ最近の話だったので聞いた時はびっくり…これが自宅内だけならいいのですが、外で読んじゃった日には目が点です…。

水上町、合併でひらがな表記になっちゃったんですね。それはびっくりです。都幾川もそうでしたっけ?確かに難読地名というのはある意味困る部分はありますが、るーさんのおっしゃるように何でもひらがなというのも…埼玉にもよく見たら高麗川だの毛呂山(仕事仲間に「こうらいがわ」「けろやま」と読まれました…)だの読みが難しい地名ありますが、ぜんぶひらがなにされるとその地名の由来だの由緒あるものも何もなくなっちゃうような気もしたりします。。
最近はひらがな、カタカナの市町村もありますが、これもイメージアップにはつながるかもしれませんが「え?」と思う事もたびたびです。

投稿: タピアン | 2008年5月 6日 (火) 20時12分

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