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水彩色鉛筆

10年位前の話だ。学校の先生をしている友人から授業に使うネタとして簡単な絵を描いてほしいと頼まれた。友人は絵を描くのがあまり得意ではなかった。静物を描いても何を描いたかわからないくらいの絵を描いてしまうのだ。当然の事ながら動物を描いたら何を描いたかわかるはずがない。最悪だったのが授業の時人を描くはめになり、モデルになった人が彼の描いた絵を見て「何これ~?」と怒ってしまった事があった。このことで彼もえらく傷ついてしまったが、学校の先生をしていると絵が下手だとかそういう事を言っていられないことがあるらしく、どうにもならなくなり助けを求めてきたのだった。

私は絵は下手だが描くのをあまり苦手とはしていなかったので、頼まれたものを描いて友人に渡した。研究授業で使う教材だったらしい。黙っていればいいものを正直に人に頼んで描いてもらったと話したらしく、教え子たちには大笑いされたそうだが…。

もともと私は水彩で絵を描くのが苦手で、小学生の頃は絵の具を混ぜ過ぎていつも暗い色調の絵を描いては担任の先生に怒られていた。ところが小学校高学年の頃に図画工作の専科の先生が学校に赴任してきてから話が変わった。私は小学校5年の頃から図画工作をこの先生に教えてもらうことになった。この先生は絵が下手だったり図画工作が苦手だったりする生徒をよく見てくれていた。私も絵の具の混ぜ過ぎを解消する方法や、道具類の基本的な扱い、筆の使い方などいろいろ教えてもらった。そのうち絵を描くのが苦にならなくなった。

大人になってたまに絵を描くことがあると、水彩で絵を描いていた。しかし水彩は水入れだの筆だの手入れがいる道具がかさばるのがイヤだなあと思っていた頃出会ったのが水彩色鉛筆と水筆。水筆は水を入れられる筆でこれ一本あれば水彩画を描くのは楽。そのまま水彩色鉛筆にはかなりはまってしまい、ついにはお金を貯めて120色入りのセットを買ってしまったのだった…それがファーバーカステルのアルブレヒト・デューラーという水彩色鉛筆。私が好きな比較的重めの色が多い扱いやすい水彩色鉛筆だ。さすがに120色は持ち歩けないので、季節や行く場所によってよく使う色を15~20色くらい選んで持っていく。

友人から頼まれた絵はこの水彩色鉛筆を使って描いたものだった。自宅で描くため持ち運びを気にしないで済むのをいいことに私は色鉛筆を全部机に並べて描いていた。絵を描いている間中色鉛筆はあちこち散らばってすごい状態になっていた。ひさしぶりに楽しんで絵を描いたなあという感じだったのを覚えている。さすがに120色もあれば頼まれたものを描くのには全く不自由はなかったが、普通に絵を描く時に色を混ぜたりする工夫はしなくなるな、そう思った。友人に後になってその事を話したところ「お、おい。そこまでしたの?だったらその色鉛筆のお代は出すよ!」と言われたが丁重にお断りした。

私は絵の具を混ぜて色を作ったりするのが大好きな方。もちろん混ぜずにきれいな色が出せた方が色が澄んでいていいに決まってはいるけれども。

最近になってこの色鉛筆の12色セットを譲ってもらえることになった。基本色だけ12色缶に入っており持ち運びにもかなり便利らしい。幸いにも革表紙をかけた厚めのクロッキー帳とスケッチ用のシャープペンシルはいつも持ち歩いている(暇な時にろくでもないいたずら書きをしているだけだが)。最近少し絵を描くのからは離れていたが、これを機に水筆とセットを持ち歩いて再度水彩色鉛筆画なるものを趣味として楽しんでみようかな…と思う。

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