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人間として小さい私の独り言

10月にフルートの発表会が終わってから本格的に風邪がひどくなり、咳が止まらなかったりするためフルートに全くさわれない日々が続いていた。レッスンもずっとお休み、当然のことながら発表会のビデオすらまだ受け取ってない状況だったりする。って事は本格的な反省会もまだしていない。

そんな状況で私自身が心にだいぶ毒を持ってしまっているのかもしれないが、一つだけどうしても納得できないことがあった。

フルートの発表会は二人の先生の教室合同で行われた。私がついている先生の教室からは6人、もう一人の先生の教室からは5人の参加者がいた。

ここからが問題なのだ。もう一人の先生の教室からの5人のうち、フルートでの出場は4人、ギターで出場が1人。もう一人の先生がギターを教えているというのであれば何にも問題はないが、この先生はギターを教えているわけではないのだ。

フルートで出場した10人のうち、ソロで5分以下の曲を吹いたのが8人、10分以上かかる大曲を吹いたのが2人。ギターのソロが15分…。

「おい、ちょっと待てよ、何だこれ?」タイムスケジュールをもらった時の私の正直な感想だった。フルートの発表会である以上10分以上かかる曲を吹く人がいても一向に構わないと私は思っていた。しかし、ちょうど真ん中にギターのソロが15分もあるってのは何?と。「誰が主役なんだよこれ?このギターソロの独演会になっちゃうんじゃない?」と不安がよぎった。

発表会当日、不安は的中。案の定という結果になった。聞きに来た私の家族は「これってフルートの発表会だよね?」「ギターの独演会みたいだったじゃん。」と言う始末。他の人の家族からも「フルートの発表会のはずなのにフルートが脇役みたいだった…。」という感想がきかれたそうだ。

ギターの選曲があまりよろしくなく聞いてて退屈きわまりない曲だったのと、お世辞にもすばらしい演奏とは言えないにもかかわらず自己陶酔してギターを弾く姿に対して冷ややかな視線が観客席から送られていたようなのだ。

演奏が未熟なのはフルートもギターも同じ。演奏を楽しむのもある意味では自己満足、それをどうのこうの言うつもりはない。私が言いたかったのは「お前だけが主役じゃないんだぞ、こら!」という事だ。ただでさえ楽屋での態度、「私はあんたたちとは違う。いろんなところで演奏をしてきているのだから。自分は特別だ。」と言わんばかりの得意気な姿に私はムカムカしていた。だから余計同じ生徒としての演奏とは思えず、腹が立っていたのだ。

ただそれは私だけが感じたことなのだろうと思い、いっしょに参加した同僚と聞きに来た家族以外のところでは口には出さないでいたのだった。

しかし先週末に先生のコンサートへ行った帰り道、同僚と食事をしていたら偶然そのお店へ先生がやってきた事で話は変わった。食事をしながら発表会に対しての意見を同僚と私とでいろいろ話していたとき、私は先生に向かってついついある言葉を吐いてしまったのだった。

「あのギターの人って何者なんです?」

先生が顔をしかめた。先生の話によると、もう一人の先生を気に入ってしまい音楽を教えてくれとしつこく教室に来るようになってしまった人だという。ギターを教えているわけではないが、音楽を教えると言っても納得行くまでレッスン時間を引き延ばす、必要以上にレッスンに来る等、ある意味で困った生徒なのだという。以前はギターの先生についていたようなのだが、その先生がやめるとかで教わる人を探していたのはあるらしい。また自分の演奏を聴いてほしい、発表の機会がたくさんほしいと思っている人なのだそうで、何にでも顔を出し演奏をしたがっているのだと言う。そして主役以上の時間を取って演奏してしまうという特技をお持ちだそうだ。

なるほど、だからこそ「同僚の結婚式でギターを弾いてすごく好評だったんだ。」「こういう場には必ず顔を出して自分の腕前を披露しているんだ。」と自分で言えちゃうんだ、なるほど、と納得。

「今回の発表会の15分ってのはねえ…。」もともと余計な事を言わないと済まない性格ゆえに私はついに考えを口に出してしまった。すると先生からも一言「あれはどうかと私も思いました。」という答えが返ってきた。

フルートで出場した中に2人10分を超える曲を演奏した人がいたのだが、実はこの2人、本当はもっと時間がかかる曲を縮めて吹いていたのだという。二人ともフルートソナタを演奏したのだが、何楽章かあるうちの途中の楽章を飛ばして演奏していたそうだ。ホールを借りた時間が短く、時間が押している関係でそうしないと対応できなかったそうだ。しかしギターを演奏した人は全く曲を縮めていなかった。もう一人の先生は「フルートの人も曲を短くして吹いているのでもっと短い曲を演奏できないか?」と打診したそうだが「この曲でないと嫌だし、縮めることもできません。」と全く気にしなかったという。

無神経な人だなあとあきれた。来年の発表会に出てきて15分以上の曲を演奏したりなんかしたら途中で客席から曲に合わせてフルートでお囃子を吹いてやるだけの技術を身につけた上で本当に吹いてやろうかとひそかに思った私だった。

もし自分が演奏しているとき客席から妨害をされたら気分がいいわけがない。それがわかっていて、同じ演奏者の立場なのにそんな事思うのか、何この人?とこの記事を読んで思う人もいるはず。でも私の心にもそういう真っ黒な部分があるのだ。人間小さいからこそそんな事を思う次第。そうやって自分の中で実際にやったらどうなるだろうとイメージしてひそかにニタニタ笑うのが楽しみだったりするのだ。陰湿だなあ…。

実際こんなことを公言してしまえばほとんど実行はしないのが私だったりする…。実は小心者。

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コメント

タピアンさん、こんにちは♪
この前は、心温まるコメントをありがとうございます(*^_^*)
そして、、まだお返事も出していない私の失礼をお許しください。

お体のほうは、大分良くなったのでしょうか?
お疲れ様でした。まだまだ本調子ではない様子、ゆっくり休んでくださいね。

人と人との関わりもそうですが、音楽って、演奏する人がいて、演奏を聴く人がいて、その両者が幸せにならなければ意味がないのですよね~。
どんなに上手に演奏したとしても、演奏した人の押し付けでは、聴いているほうが心地よく、幸せにはなれないのですものね。
独りよがりなその人、早く気が付いて欲しいですね。

投稿: ゆめ | 2007年11月10日 (土) 14時25分

ゆめさん、こんばんは。
お返事の方はいいのですよ。気になさらないでくださいね、

体調…その後なぜか咳だけが残ってしまい、接客中も電話中も「ゴホン!」。怒って窓口に来たはずのお客さんにまで「苦しそう。大丈夫?」と心配され、苦情の電話をしてきた方にまで「あなた無理しちゃダメよ。」などと言われる始末…とほほ…。もう情けない限りです。

毒だらけの記事にコメントありがとうございました。ブログは人が見るもの、マイナス点となることは書かないという考え方もありますが、真っ黒な部分を持っているのも私ということであえてこの記事を載せました。

ゆめさんの言葉にはっとしました。演奏している人も聴く人も幸せになって初めて「いい音楽だったな」と思うのは事実かもしれませんね。実は私の大きな目標が「老人ホームなどで慰問演奏をしたい」というもの。上手な演奏はそれだけで価値があります。少なくとも自分が楽しいだけでなくて聴く人も幸せにする演奏、それができたら一番いいのかな?と思います。

それにしても…途中で休憩時間を入れないとお客さんもつらいという意味もあって「演奏を短くしてもらえないか」と言ったのを「無理」といって自分を通した無神経さにはやはりいまだに腹が立ちます。

投稿: タピアン | 2007年11月10日 (土) 20時26分

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