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うちの猫

Cimg0281 5年ほど前からうちには猫がいる。名前は「ごろにゃん」、メスで推定5歳くらいではなかろうかと思われる。さびとらで雑種(顔つきが明らかに日本の猫とは違うし、やや長毛気味なのでいろんなのが混ざっているのだろう)、拾われ猫だ。

5年前の9月下旬、仕事からの帰りいつもなら通らない大通り沿いを歩いていたらどこからか猫の声がした。しわがれてかすれた鳴き声だったが、明らかに子猫の声だった。だいぶ弱っているなあ、という感じはした。どこにいるのかな?と近くにいた人も探していた。やがて子供連れの母親が植え込みの中にいた子猫を見つけた。

母親が子猫に手を出したところ、子猫は驚き車の走っている大通りに向かって走り出してしまった。

近くで見ていた人は私も含めて「わ~猫が!!」と叫ぶしかできなかった。

すると通りかかったサラリーマンのお兄さんが道路に飛び出て子猫を押さえ、植え込みの中へ戻した。そのお兄さんが立ち去ってほっとしたのもつかの間、今度はその子供連れの母親がまた猫をつかまえようとしていた。するとまた子猫は車道へ向かって走り出してしまったのだ。

思わず目をそらしてしまった・・・。

車道には車が来ており、どうやら子猫はぶつかって跳ね飛ばされたらしい。そしてなぜか私の足元に落ちてきたのだった。するとさっきまで猫を見ていた人が一人残らずいなくなった。

子猫は目をつぶったまま動かない。あ、死んじゃったのかな?と思ってみていたら目が開き、足が動いた。「あ、生きてる。」と安心したが、このままここにいたらまた車道へ飛び出してしまうだろう、明日の朝ここを通った時子猫の轢死体を見るのはイヤだなと思い、通りから奥に入った公園に子猫を持っていくことにした。

しかしこの子猫、意識が戻ってからは私から逃げようと必死だった。車道に出ないように気をつけて追いかけて、疲れてぐったりしたところをつかまえる、この連続だった。

しばらくすると子猫がくたびれて動かなくなったので、通り沿いにあったペット用品店で猫缶を一個買った。缶を開けてエサをあげたら子猫は「うみゃっ、うみゃっ」と鳴きながらエサを食べていた。

エサを食べたら満足したのか、子猫は逃げようとしなくなりおとなしくなった。そのまま抱き上げて公園に連れて行ったら、私の腕の中で眠ってしまっていた。

その年の秋は思ったより気温が涼しく、眠っている子猫をそのままここに置いていくのもどうかと思われた。子猫を街灯の下でよく見たら、頭だけでっかくて体はガリガリ、毛並みもものすごく悪く何だかなあといった状態。仕方がないので獣医さんにだけは連れて行こうと思い、以前からつきあいのある獣医さんに電話し連れて行くこととなった。

動物病院の診察室でこの子猫を改めて見たら、汚いったらない。毛並みははりねずみのように固まっていて、体は本当に棒のようにガリガリ、顔を見たら何だか変だと思ったがそれもそのはずひげが何本も焼き切られていた。鼻から口にかけては鼻水が垂れ、それが固まってしまっている。目は大きいが目やにが大量についている。獣医さんの診た限りどうやら猫風邪のひどいのをひいているようだとのこと。検査をしたらノミやダニまでついていることもわかり獣医さんで全身消毒、顔を拭いたり注射をしたり一時間以上かけての診察になった。

子猫は注射の時私にしがみついてきた。それを見ていた獣医さんが一言「どうするんです?この子猫。」と聞いてきた。「飼う気ないので里子に出したいんです。」私が答えると「うちで保護しておくわけにはいかないので、里子に出すまでは保護していただけますか?」とのお話。家はペット可だったので心配はいらなかったが「猫なんか飼ったことないからどうしたらいいかわからない。」と言うと簡単に世話の仕方を教えてくれ、トイレ砂や何日分かのエサ、ミルクの試供品等をくれた。里親募集のポスターは貼らせてもらえるということで、袋に入った子猫を受け取り猫用品といっしょに家に帰ってきた。このとき診療費は一切とられなかった。そういうわけにはいかないと言ったら獣医さんは「飼うわけではないのだからお金は取れませんよ、保護するだけでもかなりお金がかかることになるのだから。」と言って笑っていた。

家に帰ってから閉店間際のホームセンターに駆け込み、猫のトイレと砂、エサ入れを買って子猫を保護する準備をした。そして近所の本屋へ行き猫の飼い方が書かれた本を買ってきた。子猫は部屋の中で最初呆然とした顔をしていたが、安心したのかしばらくすると椅子の上で眠っていた。子猫を見てもこの段階ではちっともかわいいとか思えなかった。ただかわいそうだ、何とか里親を見つけて無事引き渡してあげて幸せになってほしいな、とだけしか思わなかった。

こうして保護した子猫との生活がその後も長期にわたって続くことになり、結局里親が私になるとはこの時全く考えもしていなかった・・・。

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コメント

あれ?さっきコメントしたけど… ということでもう一度。

いい話を聞かせてくれてありがとう、じ〜んとしました。

ごろにゃんちゃん、いい人に巡り会えてよかったね。

投稿: cat_square | 2006年8月20日 (日) 12時40分

cat_squareさん、ご訪問ありがとうございます。

うちの猫を見ている限り、いい人に巡り合ったと思っているかどうかはわからないんですけどね^^;最近はもう外にも出て行きたがらなくなり完全家猫になってでれ~っとのびて寝ていたりします。

コメントがすぐに反映されずすみません><こちらには届いていてやがてアップされますのでご安心ください。

投稿: タピアン | 2006年8月20日 (日) 16時36分

遊びに来ましたよ~。
ごろにゃんは、きっとタピアンさんとご縁があったのでしょうね。
猫との出会いは偶然ではなく、縁があって出会うようです。
ずっと育てていると、どんなにぶちゃいくでもうちの子が一番可愛い♪と思ってしまうのです。
野良ちゃんでも可愛がっていると、どんどんいい顔になってきます。
ごろにゃんは、きっとスゴクタピアンさんに出会えたこと、感謝してるし喜んでいると思います。

投稿: まりたま | 2006年8月25日 (金) 21時09分

まりたまさん、こんばんは。
今までこの猫を含めて二匹保護しましたが、この子は私の父方の祖父の生まれ変わりのように、もう一匹の子も私の母方の祖父の生まれ変わりのようにやってきました。
この子はお世辞にもかわいいとは言いがたい子でしたが(今も模様がひどいと笑われてますが)穏やかな表情で暮らしています。
私といると安心はしているようでうれしい限りですが、あんまり警戒心のない姿を見ているとさすがに?とは思いますね…。

投稿: タピアン | 2006年8月29日 (火) 20時34分

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